ボディ・マインド・センタリング®(Body-Mind Centering®:BMC)とは?
ボディ・マインド・センタリング(BMC)は、身体(Body)と心(Mind)のつながりを深く探求し、動きや触覚を通じて自己への気づきを促すソマティック(身体性に基づく)アプローチです。ボニー・ベインブリッジ・コーエンによって開発され、解剖学や生理学、発達運動学、タッチ、イメージワーク、ムーブメント、身体心理学など、さまざまな知識を統合しています。
BMCの特徴と考え方
① 身体のシステムを探る
BMCでは、筋肉・骨・神経・内臓・リンパ・呼吸といった身体のさまざまなシステムに意識を向けながら動きます。これにより、それぞれの働きを深く理解し、動きや姿勢のバランスを整えます。
② 発達運動パターン(発生学的アプローチ)
赤ちゃんが胎内にいるときの動きや、誕生後に寝返り・ハイハイ・歩行へと発達していくプロセスを研究し、大人の姿勢や動きの改善に応用します。
③ タッチと感覚の重要性
手で触れること(タッチ)によって、身体の各部分のつながりを感じ取り、エネルギーの流れを整えます。これにより、自己の内側に意識を向けることができます。
④ 動きと心の関係性
体の使い方が感情や思考に影響を与えるように、心の状態もまた動きに影響を及ぼします。この相互作用を探ることで、心と身体のバランスを整え、より自然な動きを引き出します。
BMCが活用される分野
🔹 ボディワーク(施術・整体・マッサージ)
→ 施術者自身の身体の使い方を見直し、クライアントの動きや癖を深く理解するのに役立つ。
🔹 ダンス・ムーブメント・ヨガ
→ 身体の内側の感覚を高め、より自然で自由な動きを引き出す。
🔹 身体心理療法・セラピー
→ 身体の感覚と感情のつながりを探り、トラウマの解放や自己調整に活用。
🔹 赤ちゃんや子どもの発達サポート
→ 原始反射や運動発達をサポートし、健やかな成長を促す。
🔹 スポーツ・武道・音楽演奏
→ 体の軸や重心、エネルギーの流れを理解することでパフォーマンスを向上させる。
赤ちゃんの発達運動と大人への影響
BMCでは、赤ちゃんがどのように動きを獲得していくのかを、実際に自分の身体で体験しながら検証します。胎児期から乳児期にかけての動きの流れを理解することで、大人の姿勢や歩行のクセを見直すヒントが得られます。
胎児期から乳児期の動きの流れ
✅ 子宮の中での動き
羊水の中で浮かびながら、全身を波のように動かし、基本的な運動パターンを形成する。
✅ 誕生(産道を通る動き)
体を丸めたり伸ばしたりしながら、自らの力で進む。この時の圧や動きが、今後の身体の使い方に影響を与える。
✅ 寝返り
体幹をねじり、重心を移動させながら片側から反対側へ転がる。この動作は、背骨の動きや左右のバランスを整えるのに重要。
✅ ハイハイ
手足を協調させながら前に進むことで、歩行の準備が整う。この段階で、肩や骨盤の安定性が向上する。
動きの方向性と大人への影響
🔹 足から頭へ(Grounding & Lengthening)
地面を押すことで、反対側の手や頭が自然と引き上げられる。この動きが、歩行や姿勢の安定につながる。
🔹 手から尾へ(Reaching & Connecting)
手を伸ばしながら尾(仙骨)へとつながることで、体幹の安定性が増し、動きがスムーズになる。
実践を通じて得られる気づき
✅ 動きの起点を意識すると、身体全体のつながりが変わる。
✅ 足や手の動きが、頭や尾にどのような影響を与えるかを体感できる。
✅ 乳児期の発達運動パターンは、大人の姿勢や歩行にも影響を与えている。