「これからは、ふたりの時間を楽しもうね」
子育てが一段落した今、そんなふうに夫婦で未来の話をする時間が増えてきました。
けれどその矢先、夫の身体に少しずつ、見過ごせない“変化”が現れ始めたのです。
呼吸が浅い?めまい?いつの間にか全身に不調が…
夫は現在65歳。
もともと猫背で、右側に背骨が弯曲している体型でした。
私はセラピストとして、肩や股関節への新しい手技を試しながら、毎回10分ほどの施術を続けていました。
ある日、「なんだか、息がしにくい」と彼が言い出しました。
さらにしばらくして、「立ち上がるとふわっとする」とめまいを訴えるように。
私の目から見ても、全身に力が入りにくく、疲れやすそう。
どこが悪い、というより、“全体的に元気がない”という印象でした。
セラピストである私が、家族のケアに本気で向き合った瞬間
私はこれまで、たくさんのお客様と向き合ってきました。
けれど、家族、特に夫という“身近な存在”のケアに、こんなに真剣になったのは初めてだったかもしれません。
身体はすべてつながっている。
肩の緊張が胸郭を閉じ、呼吸を浅くし、心も塞ぐ。
骨盤の傾きが、背骨を歪め、足の使い方にまで影響する。
その連鎖を、私の手でゆっくりほどいていこう。
そんな気持ちで、最近は胸郭・腹部・後頭部・足元と、呼吸や自律神経を意識した施術にシフトしています。
「元気でいる」それが私たち夫婦の新しいテーマ
この出来事を通して、私たち夫婦の共通テーマがはっきりしました。
それは── 「元気でいること」。
旅行に行きたい。
美味しいものを食べたい。
季節の花を見に行きたい。
そういう小さな幸せを、健やかな身体で感じていきたいのです。
キャリアセラピストとしての“その先”へ
私たち50代、60代になると、「誰かのケア」から「自分自身と家族のケア」へと視点が移っていきます。
それは、施術者としてのスキルを、これからの人生にどう活かしていくか──という問いにもなります。
私は今、自分の大切な人に手を当てながら、セラピストとしてもう一段深く、成長しているような感覚があります。
不調は悲しいことだけれど、
そこから“これからの生き方”が見えてくることもある。
そんな気づきを、同じように日々奮闘する50代のセラピスト仲間たちと、これからも分かち合っていきたいと思っています。
最後に
パートナーの不調は、人生の“立て直し”のサインかもしれません。
施術家として、そして一人の人生の伴走者として──
あなたなら、誰に手を差し伸べたいですか?