家事と仕事のあいだで、ゆれる心──
「対岸の家事~これが、私の生きる道…」には、
「両立って、そんなに簡単なことじゃない」──
そんな静かなメッセージが込められていたように思いました。
サブタイトルやビジュアルだけを見ると、「ああ、女性向けのホームドラマね」と感じる方もいるかもしれません。
けれど実際に観てみると、そこには、今の日本社会が抱える深いテーマが丁寧に描かれていました。
たとえば、「家事と仕事の両立」。
私たち50代の女性──特に仕事を持ち、人生の節目を意識しながら生きる“キャリアセラピスト”にとっては、まさに他人ごとではないテーマです。
子育てを終えた後も、家のことは「女性がやるもの」という空気は、まだまだ根強く残っています。
そして、仕事に真剣に向き合えば向き合うほど、家とのバランスに悩むことも増えていく。
ふと立ち止まった瞬間、「これでいいのかな…」と自分に問いかけたこと、ありませんか?
ドラマの中では、そんなモヤモヤや葛藤を声高に叫ぶのではなく、日常の風景の中に静かに織り込むように描かれていました。
育児、介護、そして職場での違和感…。
ひとりの登場人物が、それらすべてを抱えながら、ときに迷い、ときに踏ん張りながら生きていく姿に、多くの視聴者が共感したのも納得です。
「女性の社会進出」という言葉は、ずいぶん前から使われています。
でも現実には、“担うもの”が減ったわけではありません。
むしろ、今の50代は親の介護や自身の体調と向き合いながら、
「まだまだ働ける」「もっとやりたい」と、自分を励まし続けている世代なのです。
だからこそ、あのドラマがそっと伝えてくれた
「完璧じゃなくていい」
「頑張るあなたを、ちゃんと誰かが見ている」
というメッセージは、心にじんわりと染みてきます。
家事と仕事を「どう両立するか」よりも、
「どう自分の気持ちと折り合いをつけていくか」。
そんな視点で生き方を見つめ直すきっかけを、ドラマは私たちに与えてくれていたのかもしれません。
そして何より、家族の幸せを一番に願っているあなたへ──
サロンに来られたときには、どうか肩の力を抜いてください。
社会的な役割や日々の責任は、少しの間だけ脇に置いて、一人の「女子」として、自分自身をやさしくゆるめる時間を、たっぷり味わっていただけたらと思います。
その小さな“緩み”が、また明日を生きるための大きなエネルギーになる。
そんな時間を、私は心を込めてサポートさせていただきます。